Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence(PRICAI 2026)採択論文のお知らせ
2026.11.04
このたび、Teeradaj Racharak 准教授 が共著した以下の論文が、第23回 Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence(PRICAI 2026) に採択されました。本会議は、2026年11月16日から20日 に 中国・広州 にて開催されます。PRICAIは、1990年の名古屋大会以来、環太平洋地域で開催されてきた人工知能分野の歴史ある国際会議であり、人工知能のあらゆる領域における最新の研究成果を発表する場となっています。
採択論文
Ziheng Zhong, Teeradaj Racharak,
Klotski-Bench: A Diagnostic Benchmark for Structured Spatial State-Transition Reasoning in Large Language Models
In Proceedings of the 23rd Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence (PRICAI 2026), Guangzhou, China, November 16–20, 2026.
コード: https://github.com/realearn-people/Klotski-Bench
大規模言語モデル(LLM)の構造的な推論能力を評価するには、最終的な答えの正誤を確認するだけでは不十分です。状態が段階的に変化する問題では、モデルが途中の状態を正しく保ち、ルールに沿った操作を行い、一連の更新を通じて一貫性を維持できるかどうかが重要になります。
本論文では、スライディングブロックパズル「箱入り娘(Klotski)」に基づく診断用ベンチマーク「Klotski-Bench」を提案しています。パズルを、明示的な盤面の状態、ブロックの移動操作、合法性の制約、シミュレータで検証可能な次の状態からなる決定的な状態遷移システムとして定式化し、状態の妥当性判定、誤りの位置特定、合法手の列挙、次状態の予測、一手の遷移検証、手順列の生成と検証という七つのタスクを設計しました。また、解かれた状態から逆向きの幅優先探索(reverse BFS)を行うことで、各状態に正確な最短手数(深さ)を付与し、難易度を制御した評価を可能にしています。
Klotski-Benchは、言語モデルが空間的な状態を保持し、局所的な遷移ルールを複数ステップにわたって正しく実行できるかを分析するための、完全に検証可能なテストベッドを提供するものです。
著者の皆様のご活躍を心よりお祝い申し上げます。
